オサマ殺害中継を見守るシチュエーションルームで何が起こったか?:Inside the Situation Room - TIME

Situation Room, May 1, 2011 (c) Pete Souza, White House

TIME detailed what was going on in the Situation Room on Sunday night.
殺されるオサマ・ビンラディンをホワイトハウスから見守るオバマ大統領たち。日曜夜のシチュエーションルームの中の模様をTIMEが再現した。

(訳)
オバマ大統領は固い面持ちのまま40分間、ビデオスクリーンに映しだされる地球の裏側の事態の進展を見守った。誰もひと言も発しないまま長い時が流れた。[...]

今の大統領は軍事作戦をビデオゲームのように体験できるが、ゲームと違って一切統制が効かない。作戦を指揮する司令官に途中で割り込んだり連絡取ることもしないし、できない。なのでヘリ墜落の報が入った時には、早々に予定が軌道から逸れてしまったことで、室内の緊張が高まった。

数分後、「Visual on Geronimo(ジェロニモいました)」という無機的な声が入った。ジェロニモはアメリカが最重要指名手配中の敵オサマ・ビンラディンのコードネームだ。続いて、ジェロニモ殺害の報。部下に怪我がないことを大統領が知ったのはさらに数分後ヘリが離陸してからだった。

大統領はその数日前に攻撃命令を下していた。木曜午後、情報局・軍・外交チームのトップをこのシチュエーションルームに招集し、オプションを話し合ったが、既にその段階で作戦の機密が危ぶまれていた。ビンラディンの居所については数百人に聞き込みをしている。リークひとつで作戦は全部台無しになってしまう。

この建物内にビンラディンがいる確証はなかった、と諜報のプロフェッショナルたちは語る。確率は高い。が、状況次第だった。首脳陣は大統領に確率は50%から80%だと伝えた。確定では全然ない。オバマはテーブルの全員に意見を聞いて回り、最悪のシナリオは何か尋ねた―民間人の負傷、人質、 対パキスタン外交の悪化、ヘリ墜落。大統領に残されたオプションは3つ。待ちの一手でもっと情報を集めるか、空爆か、地上部隊を中に潜入させるかだ。室内の意見は半々に割れた(立ち会った人の談話)。大統領のジョン・ブレナン対テロ担当補佐官は地上戦を支持し、レオン・パネッタはじめ作戦の現場担当も同意見だ。他は待てという意見。結局、半分がヘリ急襲支持に回り、残り半分は待機か空爆かで割れた。

オバマはひとまず預かって閉会した。そして翌金曜午前8時ごろ、アラバマのトルネード被災地視察に向かうヘリに乗る直前に補佐官らを外交ルームに呼んで、自分の決断を伝えた。ヘリ突撃だ。任務は手を離れ、大統領は運を天に任せた。

作戦当夜の写真ホワイトハウス

[TIME]

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